世界ジュニア2016レポート-8

決勝戦観戦レポート

渡邉選手の決勝戦レポート
決勝を観て思った事はTへの戻りが速く感じたのと、ギリギリでピックアップしたボールもコースがすごくいい事、チャンスボールは必ずものにする事など今の自分に足りないものだらけでした。
ピックアップに行くときに体が全くブレていなく、頭がちゃんと起きた状態で返せる事からピックアップしたボールもコースよく返せるのかなと思いました。今回の決勝には世界5位の選手がプレーをしていて今の自分が世界のトップと比べて何が足りないのかがより明確にわかりました。なので、今後の練習やトレーニングではこの決勝やその他の試合から学んだ事をちゃんと活かして来年は最終日に観客席に座って見ているのではなくコートに立てるよう取り組んでいきたいと思います。

机選手の決勝戦レポート
決勝を観戦して感じた事は、お互いにリスクの少ないショットでプレッシャーをかけていることでした。良いショットを打たれてもからだがブレないので、色んなショットをセレクトできるのと、一つのショットで逃げていたのも印象的でした。優勝したNg Eain Yow選手は自分の展開に持ち込むのが本当に上手かったです。メンタルも強くて、最後までブレることなく試合を運んでいてやっぱり強いなと思いました。自分の足りないものは今大会でも発見することができたので、シニアの舞台では活躍できるようにこれからもっとレベルアップするための練習、トレーニングに励みます。

コーチの今大会総評
今回の結果は、机選手と渡邉選手にとっては大きな経験となったと思います。結果が良いかと言えば悪くはないが、2人とももうひとつ上のステージまでいける可能性があっただけに悔しさが先にくるのではないかと感じています。
選手2人は精一杯勝利を目指して戦っていましたし、今ある力は出せたのではないかと思います。特に机選手は、ジュニア最後の大会ということで、集大成という気持ちで挑んでいたのが伝わってきました。
準々決勝では、ミスが多く机選手らしからぬプレーのように見られましたが、世界ジュニア準々決勝という今までに経験したことのないステージでの試合であり、メンタル的な部分でのコントロールが難しい状況の中で良く戦っていたと思います。また、渡邉選手も宿敵と言える相手との対戦で、主導権を握る場面もありながら、最終的にはフィットネスとスカッシュの成熟度の差が勝敗を分けたと思います。
しかし机・渡邉両選手ともに勝つチャンスはありました。それを勝たせてあげれなかったコーチとしての自分の責任もあると感じています。選手達のメンタルの揺れや弱点に気がついている中で、試行錯誤してアプローチをしましたが、最後まで力を出し切らせてあげることが出来なかったのは、自分の経験不足と力不足が原因であると反省しています。
スカッシュの知識や戦術的な部分だけでなく、メンタル的なアプローチなど他のカテゴリーに関する知識やスキルを高めていき、選手自身で出し切れないその選手の力を最大限出させてあげれるコーチを目指して選手と共に歩んでいかなければ、世界の舞台では結果を出せないなと改めて強く感じさせられる大会となりました。
机選手は、これでジュニア卒業となり次はシニアとしてアジアのトップ、そして世界のトップを目指してもらいたいと思います。そして渡邉選手は、来年リベンジをしにまたこの世界ジュニアのステージに帰ってくることでしょう。
渡邉選手は、そのためには今よりもクオリティの高い練習とハードなトレーニングを積みまなければリベンジは難しいと思います。そして、今世界を目指しているジュニア選手達はこのステージで戦うことを本気で目指してもらいたいと思います。
言葉で言うのは簡単です。本気で世界で勝つのであれば、今の練習やトレーニングでは100%無理です。世界はそれほど甘くありません。
しかし、選手だけが頑張っても、コーチだけが頑張っても世界の舞台に立ち、そして結果を出すことはできません。選手、選手を支える家族やコーチ、練習仲間、そして協会がひとつになり本気で世界を目指して初めて世界で戦える選手が育ってくるのだと感じました。
そして、自分達コーチ陣は、その選手を最大限サポートしていく覚悟を持たなければなりません。

世界を目指したいと思っているジュニア選手へのメッセージです。
強くなるために必要なあらゆることをやってください。環境を言い訳にしないでください。サマーキャンプに参加した選手には伝えました。『まずは、自分1人でもできることから始めてください』これは、環境に関係なくできます。
そして、コーチや周りの人の声にしっかり耳を傾けて、それを聞くだけでなく自分でしっかり考えて判断して、必要なことは必ず実行してください。ただこれは、スタートラインにしかすぎません。これを継続して、いろんな挑戦と経験をしていく中で、自分で考える力や判断する力を身につけてください。スカッシュだけでなく、人としても成長することが大切です。
試合では普段の練習やトレーニングでやったことだけしか出来ません。いや、それを発揮することも大変なんです。本気で世界を目指すなら普通のことを普通にやるだけでは無理です。机選手や渡邉選手だけでなく、今まで世界を目指してきた選手はみんな歩いてきた道です。2人は、その選手達を追いかけてきたことで、今このステージまできました。
机選手が試合後にポツリと言いました。「本気で頑張れば、他の選手だって世界と戦える」これは世界ジュニアで日本人として初めて準々決勝を戦った選手の言葉です。
その本気とは上に書いたことです。今すぐに取り掛かればまだ間に合います。自分もそんな選手に負けないように、様々な挑戦をしていく覚悟です。自分は、いつか日本の選手がこの世界ジュニアのコートでファイナルを戦って、ガッツポーズをすることを信じています。そして、コーチも同じ気持ちで、選手が頑張る以上にトライしなければなりません。本気で挑戦しない限りは何も変わりません。明日からではなく、今から始めていってください。1日1日が勝負です。

自分も本気で戦う選手を最大限バックアップできるように、選手を支える側としても様々なことに取り組んでいくと決意しました。

佐野ナショナルコーチ

大会公式HP
男子スケジュール入りドロー
女子スケジュール入りドロー

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カテゴリー: ジュニアリポート, 世界ジュニア選手権2016, 遠征リポート   パーマリンク