レフリーのための新ガイドライン(2002年12月5日付)

マナーへの注意喚起

最近、一部の心ないプレーヤーによる許し難い言動、例えばレフリーの判定に対し執拗に異議を唱え権威を傷つけたり、意図的に対戦相手を混乱させたり、一方自分には有利になるように不当な回復時間を取ったりするケースが見られる。

そこでWSFは、PSAおよびWISPAとも連携して5項目から成るレフリーのための新たなガイドラインを発表し、2002年12月5日付で施行されることになった。

1.ルール15.5で規定されているように、プレーヤーはマーカーやレフリーの交代を要求することは出来ない。要求したプレーヤーには、直ちにそのような権利がないことを伝える。プレーヤーがそれでもなお要求し続けるならば、レフリーはルール17の”ゲームの遅延”に対する罰則の一つを適用する。
(注)ルール17の罰則は、警告(コンダクトウォーニングとコールする、以下同じ)、対戦相手にストロークを与える(コンダクトストローク)、対戦相手にゲームを与える(コンダクトゲーム)および対戦相手にマッチを与える(コンダクトマッチ)の4段階。

2.ガイドラインG19で述べているように、レフリーは、判定についてプレーヤーに説明してよいが、判定に関しそれ以上議論してはならない。
3.プレーヤーが判定に対する説明を頻繁にかつ正当な理由がないのに要求する場合には、レフリーは警告を発し、あるいはルール17.3の罰則の一つを適用する。
4.判定について説明を受けてなおプレーヤーがレフリーと議論しようとする場合には、レフリーは警告を発し、プレーヤーに対しいかなる議論も許されないことを忠告しなければならない。その後、レフリーは、ルール17.3で該当する罰則を適用する。
5.ルール15.4で規定されているように、プレーヤーはゲーム中レフリーの許可を得ないでコートを離れることは許されない。コート内にいて判定の説明が聞きにくい場合には、プレーヤーは聞きやすくする為にコートのドアを開けることは許されるが、これを濫用して度重なる場合には、しかるべき警告を発した後、ルール17.3の罰則を適用する。
”プレーヤーがコート内で非常にウィットに富んだコメントをして観客を喜ばせ試合を盛り上げる場合もある。こういったことまで禁止しいたずらに過度の罰則を適用してゲームを台無しにしないよう配慮すべきである。しかしながら、プレーヤーの声の調子を判断し、その言動が悪意や敵意に満ちたものかどうか見破れるようにすることが大切である。敵意がありあるいは威嚇的な口調である場合には、直ちにルール17を適用し、事態がさらに悪化するのを回避しなければならない。ルール違反を犯したら、レフリーは当該プレーヤーを処罰しなければならない、とルール17.1は明確に規定している。判定に対して礼儀正しい質問はいいことであるが、むかっ腹を立てたり、議論を吹き掛けたり、コートにラケットを投げたり叩きつけたりした場合には、直ちに罰則を適用しなければならない。”、とこのガイドライン作成に携わったWSFルール&レフリー委員長グラハム・ウォータースは指摘している。

この新たなガイドラインが、スカッシュを競技スポーツとしてあるいは生涯スポーツとしてより多くの人々が楽しむために、レフリーは審判技術の向上に努め、プレーヤーはルールとマナーを守ってプレーする一助になることを期待したい。

以上
規則公認委員会

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