第16回アジアジュニア団体選手権 総括

アジアジュニア団体戦報告 監督:潮木仁

今大会で男子は、世界ジュニア代表の遠藤、海道の2人が都合により出場出来ず、戦力ダウンは否めなかったが、初代表の林、尾潟は初の団体戦を戦って今後の大会に向けて貴重な経験が出来たと思う。机は、接戦はするも勝ちきれないのは、国際試合の経験不足と勝利への執着心が足りないと感じた。今後の日本ジュニアの中心的な選手となるので、海外遠征等で経験を積ませ、技術、戦術面はもとより、メンタル面の強化を図りたい。小林は、常に冷静に試合を運び1番手の役割を果たしてくれた。結果は8位とシードを2つ下げたが、5から8位のレベルはほとんど一緒であると感じた。
女子は、1番手の杉本以外の3人は15歳以下の選手で、3位入賞とシード通りの成績を収めることが出来たことは評価して良いと思う。しかしながら、入賞できなかったパキスタン、スリランカ等の国ともあまりレベルの差を感じなかった。男子のイラン、ヨルダン等の中東の国々と共に今後の動向には注意が必要だと感じた。今後、NTトレーニング、海外遠征等でレベルアップし更に上を目指したいと思う。特に、NTトレーニングでは、男子はシニアとの合同練習を取り入れていきたいと考える。

アジアジュニア団体戦報告 男子コーチ:佐野公彦

結果は、男子8位・女子3位というものでした。まず、女子の3位入賞は喜ぶべき順位ではありますが、実際のところ危機感を大きく感じた内容でありました。理由としましては、予選のプールの組み合わせによっては、第1ステージにおいて2位以内に入れなかった可能性もあったと感じたからです。確かに日本の1・2番手である杉本と渡邉の実力はアジア内においても確かにある程度のレベルには達していますが、今回の試合内容を見る限り安定度という面で不安が残りました。また、対戦のなかったスリランカとパキスタンの選手達の爆発力と今後の可能性には注意が必要であると感じました。また、技術面ではなく、スカッシュという競技に対する理解度と団体戦におけるチーム力としての実力は、他国のそれに劣っていたと感じています。また、男子の8位という結果は妥当であると感じています。目標はシードキープかひとつ上の5位というものであり、目標達成はなりませんでした。しかし、日本より上位の国の実力を見た限り、5~8位の国に大きな差はないと判断しています。但し、ここでも勝敗を左右したのはスカッシュに対しての理解度と勝負に対する執着心になります。それに比べると技術的な差は結果ほど大きくなかったと思っています。
しかしながら、今回発見または確認した課題は想定内のものでありました。また、今回のアジアジュニア参加の目的の中に、『ジュニア新チームの強化方針決定』というものがありましたので、その方針を明確にできたことは、今後のジュニア強化の中で生かせていけると思っています。また、女子の3位という結果は、杉本以外が中学生で構成されたチームとしてはとても評価できるもので、男子も小林以外はアジアジュニア団体戦には初出場という事を考えれば、充分なものであったと評価しています。
今後の方針としては、各選手の基礎的な技術とフィジカルを高めていくことは当然ですが、メンタルコントロールや戦術面の部分にもアプローチをしていきます。またこれには選手強化にあたるスタッフ及びジュニア育成に関わるコーチの方の協力が必要となりますので、様々な情報を共有した上で、選手強化のための体制作りも進めていきたいと考えています。

アジアジュニア団体戦報告 女子コーチ:足立美由紀

今回の団体戦は、結果は元より今後の新しいチーム作りも重視した選考でしたが、男子は当初の目標よりは低い結果とは言え、今後に繋がる内容であったと言えます。逆に女子の結果は3位でしたが、反対プールに入っていたら、全く結果を出せなかった可能性があります。3番手以下の育成が急務と言える内容でした。
各国ジュニアの成長は著しく、パキスタンやスリランカの女子選手達のゲームに対する貪欲さは日本人選手には全く無いですし、特に今回初参加の女子中国チームは、全員が明らかにバトミントン出身で、多分スカッシュに転向してまだ数ヶ月ですが、次回アジアユース大会までにはスカッシュに仕上げてくることは確実です。世界で闘うと言う意味を選手達にもっと認識させる事の重要性を感じさせる大会でした。

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