2017世界ジュニア選手権レポート-7

【2017世界ジュニア選手権大会・個人戦】

・最終結果   ベスト4(日本人史上初の快挙)

先程、個人戦の男女決勝が行われ7日間に及ぶトーナメントが終わりました。
女子はRowan El Araby(EGY)が3-0のストレートで勝利し、男子はMarwan Tarek(EGY)がフルセットの末、勝利を収めました。
渡邉選手の日本人初のベスト4や決勝をフルセットで敗れたフランスのVictor Criouin選手は現世界ランキング1位のGregory Gaultier選手以来のフランス人ファイナリストになるなど新しい風が吹いていたと思いますが、結果をみればやはりエジプト勢のアベック優勝でしたね。
男女のベスト4以上に5人と選手層の厚さをまざまざと見せつけれられました。
しかしながら、渡邉選手の日本人初の快挙は表彰式はじめオフィシャルサイト、世界連盟のツイートなど多くのところで話題に上り、表彰式後も各国のコーチや選手たちから多くの祝福を受けていましたし、少なからず世界を驚かせた結果だったと思います。

そんな中、今、大会が終わって今回の遠征を振り返っていると心残りなことがどうしても拭えません。
心から「Made in Japanの選手」がこの結果を出したわけではないからだという事です。
※私の頭では適切な言葉が思いつかないので誤解を招きそうですみません…
日本人初の快挙といえど、渡邉選手は数年前からマレーシアに渡り、現地のコーチと努力を重ねて今日まで頑張ってきたと思います。
それは、今までの日本のスカッシュ環境では世界と戦うにはあまりにも練習環境に差が出てしまうという事で、小林海咲選手をはじめ、小林僚生選手、そして渡邉選手が海を渡りました。

現在も同様に海外で練習をしているジュニアの子もいます。
つまり、日本国内で一からトレーニングしてきた選手で世界と戦える選手がほぼいないのが今の日本の育成の現状なんです。
今回の結果は渡邉選手の頑張りとご家族の協力、マレーシアのAaron Soyzaコーチの指導で日本スカッシュ界が与えてもらった大きなチャンスだったと自分は思います。
たまたま今回、私がコーチとして帯同しただけですが、渡邉選手にこの舞台まで連れて来てもらえた事で本当に今後の選手強化育成という分野にいて色々考えさせられましたし、考えたことをどうやって具体化し次につなげていくのかが最も重要であると感じました。

ここまでの内容だと、中々先の暗い話なんですが、希望もあります。
先程、「日本国内で一からトレーニングしてきた選手で世界と戦える選手がほぼいない」と書きましたが、現日本チャンピオンの机龍之介選手は長期間の海外トレーニングや国外でのコーチングがなくて世界ジュニア選手権でベスト8の成績を収め、日本人男子が世界にも通用する可能性をみせてくれました。
この成功例といってもいい実例を分析したり、海外での実例を参考にしてコーチングのソフトを業界全体で見直していく事で今以上に良いものが出来るのではないかと思います。
また、いかにソフトが充実してもそれを実行できるハードがなければ成り立たないのも事実。
その部分をいかに解消していくかが当面の課題であると感じました。
ハード、ソフトともより良いものにし、今度は選手に連れて来てもらうのではなく、導いていける日本のスカッシュ界にしていきたいですね。

この1週間、渡邉選手への盛大なる応援誠にありがとうございました。
また、松本の長々としたレポートに飽きもせず最後までお付き合い頂いたこと本当に感謝いたします。

そして最後になりますが、この遠征だけでなく常日頃から日本のスカッシュを応援して頂いている協賛企業様、国内の大会などを支えて頂いているボランティアの皆様、そしてスカッシュが大好きな愛好者の皆様、心より御礼申し上げると同時にTeam JAPANは今後もさらなる結果を求め頑張っていきますので、今後も変わらぬご支援ご声援のほど宜しくお願い申し上げます。

帯同コーチ:松本淳

【渡邉聡美選手のコメント】
今大会を終えてまずベスト4に残れたことはすごく嬉しいです!皆さんの応援のおかげでここまで来れたと思ってます。応援本当にありがとうございました!ですが、優勝を目指していたので悔しい部分もたくさんあります。
この後も香港ジュニア、アジアジュニアと大会が続くのでこの経験や反省を活かして次に繋げていきたいと思います。

渡邉聡美

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