第19回アジア選手権個人戦レポート-5

大会最終日

昨日は、リカバリーと練習、そして試合観戦の1日となりました。
選手より簡単なコメントをもらいました。

机龍之介選手
簡単なレポート
今回は自分の苦手な部分や弱いところを再確認できた大会となり、結果は全く良くありませんでしたが収穫はたくさんあったので、ここからもう1つ2つ上のステージに行くために日々精進していきたいと強く思いました。

小林海咲選手
試合では結果的には手ごたえを感じることができましたが、リズムが合うまで時間がかかりすぎてしまいました。スタートからコンディションや相手とフィットできていたらもう少し違う内容になってたと思います。この経験を活かせるようにしっかり見直して前に進みたいと思います。

渡邉聡美選手
準々決勝では相手のペースにのまれてしまい自分のプレーをさせてもらえず不完全燃焼で負けてしまい、世界トップのレベルではまだ戦えないことを痛感しました。
課題が明確になったので今後のトレーニングで修正していきたいと思います。

コーチコメント
今大会は、暑さとの戦いでもありました。勿論、コンディションは全選手同じではありますが、地元の選手や元々暑い国でプレーしている選手とってはボールのコントロールは容易に調整できます。
一方、日本や香港のなどの暑さをコントロールされている環境で普段からプレーしている選手はボールコントロールやショット選択の面でかなり気を使わなければならないのが現状です。
但し、それもある程度は事前に把握できている事であるので、気持ちの上での準備は最低限必要であり、フィットネスの面では事前の対策はもっとして然るべきことであったと思います。
また、ショッピングモールに設置されたグラスコートという環境も日本での経験は難しく、今回の3選手はグラスコートでの経験はあるのですが、今後新たな選手がこういったステージに挑戦する際には、日本においては4面ガラスのコート自体を経験することが現状ではできないため、このような大会で結果を出していくには大きなハードルになってくると改めて感じさせられました。
試合の内容ですが、メンタル的な部分のコントロールが今後の課題となった机選手と渡邉選手ですが、スキルとスピードに関してはある程度のレベルでアジア基準まできていると感じました。
しかし、細かいボールコントロールやショットの選択や使い方はまだそのレベルにはなく、互角に戦っていくにはまだ身につけなければならないことが多くあると思います。
また、小林選手はさすがにツアーを1人で戦ってきている経験が武器となり、試合中に自己分析を行い修正する力を見せてくれました。本人のコメントにもありましたが、もう少し早いタイミングで試合にフィットさせることができれば結果は変わっていた可能性は十分にあったと感じました。
小林選手同様に、机選手も渡邉選手も海外での試合経験は豊富ですし様々な環境下での試合もこなしてきています。しかし、今回ここで見えた大きな違いは自己分析と自己コントロールの力の差であったと思います。
他国の選手の試合もいくつか観ましたが、自分のプレーができていない選手がかなりいました。このような生活の場面からのストレスを感じ、コートコンディションもいつもと大きく違った状況で、どれだけ自分のパフォーマンスを出せるかが本当の強さであり、それが実力であるのだと思います。
そういった面では、机選手と渡邉選手はまだまだ向上させていかなければならないところは多く、今回はそれが明確になっただけでも非常に大きな収穫であったのではないでしょうか。
3選手全員の大会が終わった夜に長いミーティングを開きました。そこで、小林選手が若い2選手に自分の経験から様々なアドバイスをしてくれました。そして、ナショナルチームにも非常にプラスになる助言をくれました。
自分も選手時代に経験したことや帯同していく中で感じたことを伝えました。それぞれが果敢に挑んで経験して気がついたことは貴重な財産です。それを無駄にせずに、これからの選手はプラスにして更に上を目指してもらい、ナショナルは今後の選手強化に活用していけるように具体化させていきたいと感じた遠征となりました。

ナショナルコーチ 佐野

大会結果

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