第2回アジアユースゲームズ団体戦総括レポート

第2回アジアユースゲームズ団体戦総括

団体戦は男子が11チーム、女子が6チームのエントリーとなっていました。それぞれ2つのプールに分かれての予選で2位位内に入れば準決勝進出となります。男子は、マレーシア・香港・日本・クウェート・インドネシア・タイの6チームのブロックに、女子はマレーシア・日本・中国のブロックに入りました。

まずは、男子。初戦は香港との対戦。尾潟選手と園部選手は何もさせてもらえずにストレートで完敗しましたが、机選手は序盤からハイペースなラリーで相手を圧倒します。1・2ゲームを取り王手をかけますが、そこから相手のミスが減りプレーも安定してきます。疲労のために4ゲーム目を捨て、ファイナルゲームに勝負をかけましたが最後まで縺れた試合は、最後に攻め急いだショットがミスに繋がりマッチオーバーとなりました。

また、マレーシア戦でも尾潟選手と園部選手は、打ち合いにはなるもルーズボールが多く、そこから崩される展開でストレートで敗れました。動きの面においても速さ正確さ共に今後の大きな改善が必要であると判断しました。机選手は、ここでもハイパフォーマンスなプレーを見せてくれました。マレーシアは2-0で勝ちが決まっていて、同日の夜に香港との対戦が控えていたことによりMohd Kamal Mohammad Syafiq選手が若干セーブしたプレーであったことも理由にはありましたが、ここでも積極的なプレーをして相手を翻弄する場面さえありました。しかしながら、シーソーゲームの中でゲームの流れを感じてプレースタイルを変えて対応していたプレーには、大きな成長を感じました。但し、香港同様に終盤の競った場面で競り勝てないことが力の差であり、フィジカル面の強さの差であると捉えています。

日本チームにとってのポイントとなる試合は、インドネシア戦とクウェート戦にでしたが、団体戦初日の夜に行われたインドネシア戦で日本は敗れてしまいます。尾潟選手と園部選手が香港戦よりはしっかりラリーをして攻める形も作れていましたが、得たチャンスを生かせるスキルが足らなかったことと、ゲームの流れを感じてそれにあったプレーができなかったことがインドネシアの選手達との差を感じました。また、勝ちに対する執着心もプレーの中で差を感じた部分であります。この日の夜、男子チームはミーティングを行いました。翌日のマレーシア戦では、変化をさせようとする意識は感じられましたが、これは日常の練習の中で培うものでありますので、今後の変化に期待をしています。

最終戦となったクウェート戦では、相手の3番手の選手が怪我でプレーができずに園部選手は試合がありませんでした。次の机選手は個人戦でファイナルをした相手でしたが、センターコートにも若干慣れ、相手のスタイルも把握していたので、非常にクレバーなプレーで最後まで集中力を切らさずにストレートで勝利を手にしました。最後の尾潟選手は、相手のピックアップとショットの精度に押されてゲームを取ることなく今大会を終了しました。
最終結果は、クウェートがインドネシアに勝ち三つ巴となりましたが、得失マッチの差でインドネシアが3位、日本が4位という形になりました。

一方、女子は初戦の中国戦を確実に3-0で勝ち、予選プール2位を決め準決勝進出を決めました。
翌日のマレーシア戦では、逆に力の差を見せられストレートで敗れてしまいました。
その翌日に行われた準決勝の香港戦ですが、全員がこちらに来てから一番良いパフォーマンスを見せてくれました。

最初の白石選手は、得点には結びつきませんでしたが、ボールを良く拾って粘りのプレーを見せてくれました。但し、ショットの面では非常に大きな差があり、拾うことしかさせてもらえなかったという見方もできる試合でありました。

続く渡邉選手が、会場を驚かせるプレーを見せました。個人戦準優勝のChan Pansy Pui Hei選手を相手にストレートの3-0で勝利したのですが、内容が圧巻でした。序盤は、相手のボーストへの対応が遅れ受け身のプレーになりましたが、中盤から渡邉選手の武器であるドライブで相手にプレッシャーを与えミスを誘います。また、持ち味のスピードをディフェンス面で発揮して前への攻撃を上手くピックアップして相手を焦らせ、チャンスはドロップとドライブを正確に打ち分け確実にポイントに繋げていけました。時折、攻め急いで自らミスを重ねてしまいましたが、均衡したゲームにおいて自分をコントロールできたことにより、最後まで落ち着いたプレーの中で攻める意識を忘れずにリラックスして戦えたことが勝因であり、メンタル面の大きな成長を感じることができた試合でありました。

1-1で回ってきた中平選手は、序盤落ち着いたプレーで良いラリーをしていましたが、個人戦同様にスピードが上がりコートを広く使われ出すとボールをコントロールできなくなりルーズボールを出す回数が増えてしまいました。また、ポジショニングやフットワークのミスにより、対応できるボールへのミスも多くなり、ラリーをさせてもらえずにただボールを拾わされる場面が多くなってしまいました。
最終結果は、準決勝敗退で3位となりました。

監督
佐野公彦

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